『香川漆器』~香川県

今回は香川県高松市に本社を構える、一和堂工芸さんにお邪魔させていただきました。

一和堂工芸株式会社は大正6年より香川漆器を手掛け、来年創業100周年を迎える高松の老舗メーカーさんです。

 

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とてもモダンで美しい色彩の香川漆器

 

香川漆器の歴史は古く、江戸前期の寛永15年(1638年)高松藩に入った松平頼重が漆器や彫刻に造詣が深
かったことから振興したと言われています。
江戸末期、※玉楮象谷(たまかじぞうこく)は大陸伝来の彫漆(ちょうしつ)、蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)などの研究から独自の技法を創案し、やがて香川漆芸の礎を築きあげました。
現在では彫漆、蒟醤、存清、後藤塗、象谷塗の5つの技法が国の伝統的工芸品に指定されています。
また香川県には後継者育成施設として、香川県漆芸研究所や高松工芸高校があり、多くの著名な漆芸家を輩出しています。

※高松中央公園に銅像が建っています。

 

 

今回は漆器つくりの作業場と工程を一部見せてもらいました。

 

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始めはまっさらな木肌から。(番号は漆の塗り重ねた回数)
少しずつ色合いが変わってゆき次第に艶が出てきます。
最終工程が近づくと写真では見分けがつきません。

 

漆器が完成するまでの作業は延べ42工程。
全て手作業で多くの時間をかけてゆっくりと作られてゆきます。
漆器を乾かすにはある一定の湿度が必要で、その管理が重要なのだとか。
また自然乾燥をさせる為、とても時間がかかります。
漆を合計で24回、塗っては乾かしを繰り返してゆきます。
1つの漆器が出来上がるまでおよそ一カ月から一カ月半かかります。

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キンと張り詰められた空気の作業場。
辺りは田んぼも広がっており、讃岐の心地よい風だけが時折室内を通り抜けてゆく静かな作業場風景。

 

最盛期には3つの作業場が稼働していたようですが、世代による生活様式の変化や安価製品の台頭などにより現在は1つに。

昨年新たに色の展開を三色増やしたのですが、漆と色を混ぜ合わせ、鮮やかな色彩を出すのがとても難しく、延べ十二色を表現するまでは研究と挑戦の繰り返しだったようです。

「漆で白を出すというのがまず難しいです。開発当初はどうしてもベージュの様なクリーム掛かってしまっていたんですよ。」
と語る浅野社長。

 

とてもモダンで美しい12色シリーズは県内のセレクトショップやメディアでも扱われ、評判がいいそうです。
また、最近ではiphoneの充電スタンドも制作。
伝統技法を守りつつ、高級漆器の新たな可能性を求める一和堂さん。

 

最後に香川漆器をこれから購入しようと考えている人に社長よりメッセージをいただきました。

「香川漆器はね、普段の生活に入れることができるんですよ。丈夫なうえ、痛んだら塗り替えもできるので、娘から子、孫にまでと何代にも渡って使っていただけるんです。香川漆器の技術は輪島にも劣りませんよ」
と笑顔で語る浅野社長。

 

洗練されたデザインや美しさを語らず、漆器という器の持つ楽しさ、利便性、可能性を語ってくれた社長が印象的でした。

 

本日はありがとうございました。

 

一和堂工芸株式会社
香川県高松市屋島東町1572
http://ichiwadou.net/html/

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